WEB歳時記


【5月】
「夏も近づく八十八夜」は、
 美味しくて体にいい“新茶”の収穫期。

【第3回】「夏も近づく八十八夜」は、美味しくて体にいい“新茶”の収穫期。

明治時代から歌い継がれ、手遊び歌としても親しまれてきた、おなじみの文部省唱歌「茶摘み」。その歌詞の冒頭に出てくる「八十八夜」が正確にはいつのことか、皆さんはご存じですか?

暦の上での八十八夜とは立春より八十八日目を指し、現在では五月二日(うるう年は五月一日)がそれにあたります。八十八夜は春から夏に移る節目の日、夏への準備を始める縁起のいい日とされてきました。
また「八十八夜の別れ霜」などと言われ、この頃まで暖かかった気温が急に下がって霜が降り、農作物に思いがけない被害を与えることもあるので、農家に対して注意を呼びかける意味も持っています。この時季を過ぎれば霜が降りることもなく気候も安定することから、八十八夜は昔から本格的に農作業に取り組む目安とされ、それが「茶摘み」のイメージにも繋がったのだと思われます。

八十八夜の頃には一番茶(新茶)の収穫時期

実際に茶の木は三月から四月にかけて芽が伸び始め、五月の初め、つまり八十八夜の頃には一番茶(新茶)の収穫時期を迎えます。一番茶の新芽には前年の秋からひと冬越えて蓄えられた栄養分があふれ、二番茶以降の茶葉よりも、旨味のもとであるテアニンなどの成分が豊富。このように八十八夜に摘まれた極上の新茶は、古来より不老長寿の縁起物として珍重されていたようです。

様々な薬効を持つハーブやスパイスを配合した「薬膳茶」も注目です

新茶に限らず元々お茶は体の健康を促進し、心の安らぎや脳の働きにも良い影響をもたらしてくれる飲み物。また最近では「医食同源」と言われる漢方医学の考え方に基づき、様々な薬効を持つハーブやスパイスを配合した「薬膳茶」なども注目されています。皆さんも日本人の“ソウルドリンク”であるお茶を、もう一度見直してみてはいかがですか?


※この記事は、2016.05.02に掲載されました。